本日、2023年11月14日、前日(11月13日)の米国株式市場について解説します。市場全体が大きく下落し、「真っ赤っか」な状況となりました。

特にこれまで注目を集めていた銘柄群から資金が流出している様子がはっきりと見て取れます。

市場インデックスの動き

主要指数は軒並み大幅に下落しました。

  •  ダウ平均株価: -821.01ポイント(-1.70%)で47,433ドルとなり、終値からさらに下落し47,245ドルとなりました。下落幅は800ポイントを超えています。
  •  S&P 500: -121.74ポイント(-1.78%)で、6728となりました。
  •  ナスダック: -56.44ポイント(-2.42%)で、22,840となりました。前日の安値を下回り、50日移動平均線を下回ると「ちょっと警戒される」状況です。
  • SOXL(半導体関連ETF): 12%の下落を記録し、出来高は少ないものの、加熱感がない状況での下落となりました。

急落の背景:利下げ期待の後退と経済指標の欠落

今回の市場急落の主な背景には、「金利低下が遠のいた」という投資家の判断があります。

  1. 経済指標の発表停止: ホワイトハウスから、10月の雇用統計(失業率を含む)やCPI(消費者物価指数)など、いくつかの重要な経済指標が発表されないという情報が伝えられました。
  2. 利下げ根拠の喪失懸念: これらの経済指標が欠落することで、市場はFRB(連邦準備制度理事会)が金利を引き下げる根拠がなくなると判断した可能性があります。
  3. FRB当局者のタカ派発言: 元ミネアポリス連銀総裁のスタン氏は、「直ちに金利を下げる説得力のある根拠はない」と発言しました。また、リッチモンド連銀のバーキン総裁も、インフレ率は依然としてFRB目標(3%)を上回っているため、インフレ退治のために「ある程度の引き締め策を維持する必要がある」と強調しています。
  4. 失望売りと資金逃避: これらの要因が重なり、市場では「失望売り」が発生しました。特にこれまで高いPER(株価収益率)であった銘柄やハイテク株から、集中的に資金が逃避している状況です。

個別銘柄とセクターの動向

大幅な下落銘柄(ハイバリュエーション銘柄)

  • SanDisk: 15%の下落。
  • ブルームエナジー: 18%の下落。
  • Bitdeer (BTDR): 転換社債を発行したことにより、20%もの大幅下落となりました。
  • 主導した銘柄: スーパーマイクロコンピューター、テスラ(-6.7%)、パランティア(-6.6%)といった銘柄が下落を主導しました。
  • 主要ハイテク株: Nvidiaは-4.2%、Intelは-5.7%、AMDは-4.4%と、半導体関連が総じて売られました。

上昇・堅調なセクター

市場全体が下落する中、エネルギーとヘルスケアの2セクターが上昇しています。これは、投資家が「安全運転」を求めてこれらの銘柄に逃げている可能性を示唆しています。

  • ヘルスケア: イーライリリー (+0.9%)、メルク (+1.8%)、ギリアード・サイエンス (+2%) などが堅調でした。
  • エネルギー: エクソンモービル (+0.4%)、シェブロン (+0.8%)。
  • バークシャー・ハサウェイ: +1.9%。現金(キャッシュ)が最高であるという考え方が確認された形かもしれません。

注目ニュース:決算と為替

  • ディズニー (DIS): 決算はEPSこそ予想を上回りましたが、売上高成長率は-0.5%と低迷し、特にエンターテインメント(映画関連)が足を引っ張り-6%となりました。株価は決算を受けて8.0%の大幅下落です。
  • シスコ (CSCO): 素晴らしい決算を発表し、EPSクリアに加えガイダンスを引き上げました。ハイパースケーラーからの受注が加速しており、株価は4.2%上昇しました。
  • マイケル・バリー氏の引退: 映画『ビッグショート』で知られるマイケル・バリー氏がヘッジファンドを閉鎖し、引退を表明したことが話題となっています。
    為替と暗号資産の動き
  • ドル円: 比較的高い水準(154円51銭付近)で推移しており、チャートは強い形です。上値では介入が懸念されます。
  • ユーロ円: 179円80銭となり、上抜けました。
  • ビットコイン: 注目されたビットコインは、リスクオフの流れを受け、ついに10万ドルを割ってしまいました。現在9万8564ドル付近で、これまでのサポートラインを全て割り込む厳しい状況です。

今後の見通し

現在の市場は、多くの銘柄で「底抜け感」が出始めており、底打ちの指標はまだどこにも見当たりません。

投資家は株式市場から逃げている状況であり、週末を控えてさらなるリスクオフの動きが加速する可能性も考慮する必要があります。

もし明日も下落が続くようであれば、「パニック売りが始まる可能性」もありますので、注意が必要です。