債務整理の一種「自己破産」の手続き方法!メリットやデメリットを紹介!

債務整理

債務整理は、多重債務に陥り返済の目途が立たなくなった人が行う手段です。

一言に債務整理と言っても、種類は次の3種類あります。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産

債務整理の中でも、借金を少し減額すれば返済可能な場合は、任意整理が最適です。

任意整理では完済が難しくとも、借金額が5分の1~10分の1まで減額になれば完済可能な場合は、個人再生を行うことになります。

しかし、個人再生には完済のための安定的な収入がないと利用することができません。

借金額が膨らみ、一生かかっても完済できる金額ではない。定期的な収入もないので、返済をし始めることもない。そういった場合にのみ、債務整理の最終手段である「自己破産」をする事になります。

今回は「個人再生」について条件や方法、メリットやデメリットなど紹介します。

自己破産とは

自己破産とは、現在の収入や財産では、借金返済ができない場合、裁判所から支払不能を認められたうえ、借金を免除してもらう手続きです。

資産を手放さなくてはならない、ブラックリストに載る、個人情報が官報に掲載される等のデメリットはあるものの、借金返済が完全に免除される「破産法」に定められた正式な救済措置です。

借金の保証人になっている人は本人に代わり請求されますが、自己破産は個人的な手続きなので、家族・親族には影響は及びません。

また債務額には関わらず、収入が少なく資産もなく返済できないと認められた場合は、自己破産が認められる可能性があります。

荒っぽい言い方をすれば、借金が100万でも1億でも、返済できないと裁判所に認めれれば自己破産できるという事です。

自己破産の種類

自己破産の手続きには、以下の3種類があります。

  • 管財事件
  • 少額管財事件
  • 同時廃止事件

これらのうち何れの手続きになるかは、所有資産や状況により異なりますが、概ね以下の違いがありますが、全体の6割強は同時廃止事件です。

管財事件

免責許可までに掛かる目安期間:6~12ヶ月

管財事件は、一定額以上の財産を持つ人が自己破産を選択した場合、或いは借金事由が浪費やギャンブルの場合、適用される自己破産の手続きです。

自己破産を申請して管財事件となった場合、一定以上の価値の財産は没収され、裁判所に50万円程度の予納金を収める必要があります。

少額管財事件

免責許可までに掛かる目安期間:3~6ヶ月

小額管財事件は、字の通り裁判所に納める結納金の金額が、管財事件よりも小額(2万円程度)で済む場合の管財事件のことです。

自己破産を利用しやすくする為に作られた制度ですが、一部の裁判所でのみ適用されており、借金状態が複雑でない場合に適用されます。

同時廃止事件

免責許可までに掛かる目安期間:2~4ヶ月

同時廃止事件は、債権者に弁済する財産がない場合の手続きです。

自己破産の目的は、破産者の換価し債務者に弁済することですが、換価できる財産がない場合に手続き自体が無駄になります。

そのため財産がない場合は、自己破産の手続き開始後すぐに破産手続廃止しなければらないため同時廃止事件と呼ばれています。

自己破産の方法

自己破産の手続きの流れは、先ほど紹介した「同時廃止事件」「管財事件」「少額管財事件」のどの方法でも大きくは変わりません。

ただし「管財事件」「少額管財事件」は、債権者との話し合いや財産の処分・売却・配当の手続きが必要になります。

自己破産で免責許可を得るまでの手続は、「管財事件」の場合は次のようになります。

自己破産の手続き
  • STEP1
    弁護士へ相談・受任
    依頼したい弁護士を決め、相談し問題なければ依頼。
  • STEP2
    申立書など各種書類の準備
    債務調査をして、自己破産書類の作成や準備を行います。
  • STEP4
    申立書など各種書類を裁判所に提出
    自己破産書類を裁判所に提出し回答を待ちます。
  • STEP5
    裁判所にて確認や修正指示
    書類に不備があれば裁判所から修正を求められる場合があります。
  • STEP6
    破産手続き開始
    管財事件なのか同時廃止事件なのが裁判所にて決定が下されます。
  • STEP7
    破産管財人による財産調査
    裁判所により破産管財人が選出され資産の調査が行われます。
  • STEP8
    債権者集会・免責審尋
    債権者や裁判所との面談を行い財産の配分などが決定されます。
  • STEP9
    免責の認可・不認可の決定
    最終的な自己破産の認可が裁判所より下されます。

「同時廃止事件」の場合は、上記のプロセスからSTEP7~8が抜け落ちます。

自己破産は本人でも手続き可能ですが、弁護士に依頼しないと手間や時間が掛かります。STEP5にて失敗する可能性も出てきます。

そのため現実的には、自己破産も弁護士に頼らざるを得ない手続きになります。

自己破産の料金

自己破産に掛かる費用は次の3つに分けられます。

  1. 自己破産申立代理人(弁護士)費用:約20~50万円
  2. 収入印紙、切手の費用:約2万円
  3. 裁判所へ支払う予納金に掛かる費用:約1~50万円

自己破産は、同時廃止事件の場合は、ほとんど費用は掛かりません。

しかし管財事件の場合は、手続きが複雑になりほとんどの場合に弁護士が必要です。弁護士費用は20~50万円が目安です。

収入印紙は個人1500円、法人1000円ほどですが、管財事件の場合は債権者に文書で伝えるための郵送代が掛かります。これは手続きの開始時に裁判所に納める必要があり、目安は債権者数×20枚(1,500~15,000円)です。

官報公告や自己破産手続に伴う費用として、1~50万円を裁判所に払う必要があります。同時廃止事件であれば1~3万円程度です。

自己破産のメリット

自己破産には以下のようなメリットがあります。

  • 債務支払義務が免除される
  • 残すことができる財産もある
  • 申し立ては誰でも行える

自己破産が認可されることで、借金の返済義務がなくなります。

また自己判断をしても、全ての財産が没収されるわけではなく、以下のような生きていく為に必要な財産は残せます。

  • 99万円以下の現金
  • 20万円未満の預貯金
  • 差し押さえ禁止品)
    ※衣類、ベッド、タンスなど

自己破産の申し立ては誰もができます。学生でも主婦でも無職でも、特に身分や職業の制限はありません。

自己破産のデメリット

自己破産には以下のようなデメリットもあります。

  • ブラックリストに載る
  • 住所氏名が官報に掲載される
  • 大半の財産は処分させられる
  • 保証人に多大な迷惑が掛かる

自己破産をすると、信用情報機関の自己情報、いわゆるブラックリストに登録されます。そのため5年間はクレジットカード作成、借り入れ等ができません。

もちろん、住所氏名が官報にも掲載されます。官報は国が発行する機関誌です。読者層は、金融業者や税務署などですが、誰でも購入して閲覧することが可能です。

自己破産をすると、以下のような大半の資産を手放す必要が生じます。

  1. 99万円以上の現金
  2. 20万円以上の財産
    ※換金可能な財産は換金して返済に充てます

自己破産をしても、保証人や連帯保証人の債務はなくなりません。

つまり本人が破産したあと、保証人や連帯保証人へ債務の請求が行われることになります。これが「絶対に他人の保証人になってはいけない」と言われる理由でもあります。

自己破産をした後は、連帯保証人に多大な迷惑をかけることがあることを肝に銘じておく必要があります。

自己破産のまとめ

債務整理の最終手段である自己破産を紹介しました。

自己破産は、多大な借金を抱えてしまい返済する収入もアテもなく、どうしようもない場合に行う最終手段です。

とはいえ、自己破産は債権者や保証人をはじめ、多くの人に迷惑が掛かる事になる手続きである事には変わりません。

自己破産せざるを得ない状況には絶対にならないように、普段からお金について学び、金融リテラシーを上げることが大切です。

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