高配当ETFにばかりに投資すると業種が偏ってしまう。何か解決方法はないものか?
今回紹介する高配当ETFは、こんな悩みを解決するかもしれません。
代表的な高配当ETFには、VYM・HDV・SPYDなどが有名ですが、いずれも金融、消費財、エネルギー関連などの銘柄で構成されいます。
しかし、ハイテク銘柄で構成されているにも関わらず、10%以上もの高配当を維持しているETFもあります。それが「QYLD」です。
高配当ハイテクETF:QYLDとは
正式名称「グローバルX・NASDAQ100・カバード・コール ETF【QYLD】」は、2013年12月からの運用の高配当ETFです。
投資対象はQQQ等と同類のナスダック100ですが、運用方法が異なるので高配当を維持できています。
投資戦略は、カバード・コール売りで利益を作り出す方法で、ナスダック100指数の株式を購入し、対応している同一指数のコールオプションを売却、そこで得た利益を分配金として取り出すスタイルです。
投資先はハイテク株中心のQQQと同一のナスダック100指数ですが、カバードコール戦略を使うことで高配当利回りを狙える魅力を持ちます。
高配当ハイテクETF:QYLDの戦略&構成銘柄
カバードコール戦略とは、原資産が権利行使価格よりも上昇したとき、超えた部分の値上がり益を放棄する代わりに手数料で稼ぐ、という戦略です。
金融機関の公式サイトの中には、カバードコール戦略とはどのような手法であるのか、下記のようなページで確認できます。
QYLDの運営はグローバルXと呼ぶ企業で、構成銘柄数は103銘柄、分配金利回りは10%以上で毎月が決算日です。
構成セクター比率の中でも最も多いのがIT系約48.0%です。
一般消費財や通信サービスは約19.0%前後、ヘルスケアの約6.50%や生活出需品の約5.0%、資本財の約1.90%や公益事業の約1.0%などの割合になります。
大半はハイテクセクターへの投資なので、他の普通の高配当ETFと持つことによりリスク分散ができます。
高配当ハイテクETF:QYLDの増配率
分配金と増配率ですが、2020年度を例にすると分配金は2.54ドルで増配率は9.40%です。
分配金は年数により1.89ドルから2.65ドル(2014年~2020年の実績)になりますが、これは株の売却益で支払いを行っている関係からあまり安定はしていないようです。
分配金の安定性を求める場合、このような人はカバード・コール ETFへの投資は控えておいた方が良いかもしれません。
とはいえ、これまである程度の高配当を維持してきたことには変わりありません。
高配当ハイテクETF:QYLDのメリット
カバード・コール ETFのメリットやデメリットはどのようなことがあるのか。
メリットは、毎月分配型で高配当を得られること、投資先が信頼できるなどです。
毎月分配型で高配当である点は、カバード・コール ETFの最大の魅力なので、配当金生活をしたい人には投資対象になります。
また投資先がナスダック指数でなので信用度が非常に高く、不安要素も少ないと言えます。
高配当ハイテクETF:QYLDのデメリット
一方、カバード・コール ETFのデメリットには、投資内容が分かりにくい点や維持費が少し割高、値上がり益への期待は少ない点などがあります。
投資内容そのものが分かりにくい場合、どのようなリスクがどのくらいあるのか不明です。とはいえ、これも運用に慣れることで解決できる部分です。
維持費は信託報酬0.6%と、日本のETFと比較した場合は高い水準ではないですが、米国ETFなどの高配当ETF(0.06~0.08%)と比較すると高いです。
高配当ハイテクETF:QYLDまとめ
まとめると以下のような特徴があります。
QYLDは、QQQと同様のNASDAQ100に投資をしていること、運用方法が少しわかりにくいなどが挙げられます。
他にも、毎月の分配型で配当利回りは10.0%~12.0%で株価の値上がり益の期待は少ないなどがあります。
運用方法が少しわかりにくいので初めて投資先として選択する初心者などは勝手がわからずに戸惑ってしまうかもしれません。
とはいえ、他の投資先である程度慣れてから利用すると、配当金投資を主体にするのであれば評価損益はあまり気にせずに運用ができます。
リスクを十分理解した上で、検討してみると良いでしょう。
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